電気の周波数が西と東で違う理由

こんにちは!です。

連休なので、ちょっと久しぶりに雑学サイエンスを書いてみます。

2019年9月9日に関東を直撃した台風により、発生から2日以上たった今日でも千葉県を中心に44万戸以上が停電しています(9月11日時点、東京電力)。
停電している地域には病院も多くあり、千葉県内では53病院で停電、26病院で断水している状況です(9月10日時点)。

今の生活のほとんど全てが電気によってまかなわれている事から、日常生活がままならないのはもちろん、生命の危機にさえ瀕する状況もあります。

これだけ技術が進み、環境が整備された先進国である日本が、江戸時代にタイムスリップしたかのような生活に一気に戻ってしまっているんです。
一刻も早い復旧と、被災地の方々のご無事をお祈りしております。

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私はこの状況を見て、フラッシュバックが起こりました。
そう、2011年3月11日の東日本大震災です。

被災の規模や内容は異なりますが、ライフラインが寸断された混とんとした状況が当時を彷彿とさせました。
現地にボランティア活動へ行ったことで、その雰囲気を肌身で感じたことが染みついていたのかもしれません。

その当時に問題となったのが、東京電力の電力不足でした。
福島原子力発電所がメルトダウンの状況でしたから、大幅に電力供給力が下がっていました。
だったら、被災地から遠い西日本からも送電して、電力を供給しようという動きがあったのですが、そこで問題となったのが東西の周波数の違いでした。
周波数が異なるため変換して送電する必要があり、その変換効率の制限のために一定量以上の送電が出来なかったんです。

前置きが長くなりましたが、実は日本は世界でもめずらしく、日本列島をほぼ半分に分けて、電気の周波数が違うんです。

引用出典「関西電力 おとなも学べる教えてかんでん」

新潟県の糸魚川(いといがわ)と静岡県の富士川(ふじがわ)を境にして、西側では「60Hz」東側では「50Hz」の電気が供給されているんです。

これは、明治時代に発電機を輸入した先の国が違ったことが原因なのです。
東京には「ドイツ製(50Hz)」の発電機が、大阪には「アメリカ製(60Hz)」の発電機が輸入されて電気をつくりはじめたからなんです。

ですから、電気の供給や共有はもちろん、利用する家電も地域の周波数に対応した製品を選ぶ必要があるんです。
最近では「50/60Hz」と書かれて、どちらの地域でも利用できる製品が増えていますが、中には「50Hz」または「60Hz」としか書いていないもあります。
まちがえて使うと、故障したり火事になったりすることがありますので、引っ越しや旅行などの際には特に注意が必要です。

こうして停電という状況になって、改めて普段の生活の便利さ有難さを思い知らされる訳ですが、将来は災害やトラブルにも対応した社会を実現できるように、優秀な人材を本校から排出していきたいと強く願う今日このごろでした。